コロナ禍が時代を前に進めた
Appleの共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏は、コロナ禍を知りません。
2011年に他界されているからです。
しかし、コロナ禍で問題になった、リモートワークと組織の課題について、30年以上も前に指摘をし、解決策を示していたのです。
Acaben, cropped by Kyro – Flickr, CC 表示-継承 2.0, リンクによる
スティーブ・ジョブズ氏の指摘とは?
ジョブズ氏は、1990年に次の点について指摘しています。
・組織は、ヒエラルキー構造(階層型組織)を急激に変化させられず、ビジネス環境の変化に対応できない。
・オンラインの組織(仮想チーム)であれば、物理的な制約やヒエラルキーの違いを超えて、必要に応じて存続し、不要になったら消え去ることで効率的に働ける。 ・オンラインの組織(仮想チーム)が、ビジネス環境の変化に唯一対応できる組織である。 |
ジョブズ氏は、ビジネスを再定義した
当時の商業界の問題点は、具体的には、以下のようなものがありました。
・従来の組織(階層型組織)を迅速に変化させることができない
・毎週、違う上司の元で働くことができない ・拠点に配置された職員を毎週移動させられない |
ジョブズ氏は、これらの問題をテクノロジーの力で解決する方法を思いついたのです。
インターネットの活用
オンラインであれば、どこにいても一緒に仕事ができる。
具体的には、インターネット回線とコンピュータを使って、人と人とが交流し、共同作業ができる環境を作る、ということでした。
1990年は、インターネットの商用利用がはじまったばかりで、それが何かを理解する人は少ない状況でしたが、
30年たった今、その構想が現実のものとなりました。
現代の私たちがリモートワークができるようになったのは、Webサイトや電子メール、メッセンジャーやビデオ通話、クラウドサービスなど、具体的な製品やサービスとして誰もが利用することができるようになったためです。
オンラインで人々がつながれば、柔軟にチームやグループを編成し、プロジェクトが終了すれば解散する、といった働き方が可能となります。
その結果、ビジネスの変化に対応できるようになるのです。
コロナ禍がターニングポイント
実は、私が独立しようと考えたのも、コロナ禍がきっかけでした。
ビジネスにスピードが求められる時代に、ヒエラルキー構造の課題を感じたからです。
そんな時に、コロナ禍で出勤率が規制され、週の数日は自宅でリモートワークをすることとなりました。
仕事は、オフィスへ出勤して行うもの、という固定観念があったのですが、リモートワークでも問題なく仕事ができることに気づき始めました。リモートワークの特徴は、以下の通りです。
・遠隔地にいても共同で仕事ができる ・業務する場所はどこでも構わない ・ストレスが少ない ・時間を効率的に使える ・インターネットは、規制する主体がない |
まさに、リモートワークによって、新たな働き方のスタイルの可能性を実感しました。
そして、これからの時代は、ますます、人と人がつながりプロジェクト的に仕事をすることが増え、インターネットの活用はますます増えるだろう。
そう考えた時に、インターネットに無限の可能性を感じ、インターネットで世界を幸せにする仕事がやりたいと独立を決めたのです。
働き方の新しいスタイルへ
もしも、あなたの会社や組織が、インターネットを活用していなければ、時代に取り残される可能性があります。
時代に取り残されるとは、誰からも支持されなくなり社会に貢献できず、会社が存続できない状態、つまり、倒産という未来です。
スティーブ・ジョブズ氏は、30年以上も前から、人と人とが自由につながって、生産的な活動を行うための道筋が見えていたのです。
それを実現するための画期的な製品を世の中に提供し続け、時価総額世界一の会社にまで上り詰めることになりました。
時代の流れに乗って、顧客に支持されるということは、ファンやリピート顧客を増やし、成果に結びつくことになるからです。
自分のアイデアを尊重してください
経営をしていると、時々大きなアイデアが降りてくることがあります。
もしも、これを言ったらオカシイと思われるのではないか? 笑われるのではないか? または、大反対されるのではないか?
と、不安になることがあります。
そんな時、私は、ジョブズ氏のこの言葉を思い出します。
Stay hungry. Stay foolish.
ハングリーであれ。愚か者であれ。
– スティーブ・ジョブズ –
ジョブズ氏の本意を理解し、実践できたら、その先には必ず明るい未来が待っていると信じています。
そういう意味では、コロナ禍は、私たちのライフスタイルが変わることを、後押ししてくれた側面もあったのではないでしょうか?
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